入社当時は『元小説家』なる風説を上司に流布され、
看板だおれの異名をとった元書店員の東京支部田島です。
いまはむかしのものがたり。そんなこともあったっけな?
なのに元書店員というと、必ず「本好きなんですか」という会話の流れになる。
今では行き帰りの電車の中で積み立てNISAの本(少し乗り遅れている感がある)や
「経営法務Q&A」やらのおべんきょうの本しか読まなくなった。けれども。
「好きですね」
と言う。そうすると自然に「どんな本が?」となり、いろいろ警戒しつつも、
(知らない作家を言って会話が終わるのも怖い…相手の方が詳しいのを言っちゃったら恥だぞ…)
正直であろうと決心した時にはこう答える。
「実家が文庫活動をしていて児童書がたくさんあったので、児童書が好きです」
その後の流れは以下の通りだ。
「文庫ってなんですか?!」
「児童書って絵本ってこと?」
「車好きなんスね」という番外編もある。(注:ジドウ‘ショ’→ジドウ‘シャ’)
番外編以外の方の表情には全く未知のワードに訝しがる様子あり、
初対面で話題に困りつつあった方はこれ幸いと飛びつく勢いあり。
その度にしみじみ思ってきた。
「文庫知らないんだなぁ…あんなに面白いものを…」
ということで、今回のテーマは
「文庫で遊んでいた頃、僕の幼い頃、my childhood」
(英語で言うとちょっとかっこいい)。
文庫、正しくは「子ども文庫」というのは一言で言うと私設のミニ図書館のことだ。
個人宅や公民館などに本棚を並べて、ボランティアスタッフによって運営される。
利用者から会費を徴収し、本の購入代も含む運営費用を賄う。
地域に密着した子育て支援の一環である。公共の図書館は大人のものでしかなく、
子どものための図書館がほしいのだという母親たちの声により産まれ、
1960年代後半から1980年代始めに急増した…
資料を読むとそんなようなことが書いてあるが、おべんきょうは終わり。(通勤時間だけでよかろうもん)
僕の想い出の文庫は、ふつうの民家だった。
自分の家と同じ、玄関には靴がグチャグチャと脱ぎ散らかされ、ラベンダーの芳香剤の匂いがかぐわしいおトイレがあって、
洗面所には歯ブラシは無いけど「○○ホテル」と書いてある薄いタオルがかけられていた。
(ナンチャッテそんなに詳しく覚えてません、何年前の話だ)
友達のお母さんたち(おばあちゃんのこともある)は貸出カードを整理しながら
「カスミのバナナって高いわよネ」なんて話していたりして、
その近くでは給食では何が最強かを熱く語り合っている男の子たち、
座り込んで本に熱中している子ももちろん、時おりヒロシ君のお母さんから
今日の算数のテストのでき具合についてチェックが入ることもある。
第二の家。そんな存在だった。
学校の中では仲良しグループの違う子ともここでは遊べて、学校よりはずっとおしゃべりになる。
難しい人間関係も無い。学校の先生は何かと怒ってくるオトナだけど、
(二人目のお母さんみたいでちょっとやかましくも感じることもあるけど)なんでも話せる大人がいる、
大きな安心感に包まれてる。ここでは自由だ。
身近に文庫があったことは案外貴重なことだったと大人になって実感する。
文庫に関する思い出はいちどのブログ掲載などでは語りつくせない…
「いいなぁ、私の周りには文庫って無かったから。そんな場所があったらよかったな」
本好きの妻は文庫の話を聞いた後に心からうらやましいという顔をしながらそう言った。
これからお会いする文庫を知らない大人たちにも、このノスタルジィとポテンシャリティを説いて…
めいいっぱいうらやましがらせたいものだと思う。
ちなみに、母が45年に及ぶ文庫活動について書いた電子書籍をKindle出版しました。
以前「東京図書出版」から自費出版した紙の書籍を独力で電子化したものです。
Kindle Unlimitedの読み放題対象ですので、ご興味のある方は覗いてみてくださいませ。
『子どもと本をつなぐ橋』
田島 多惠子 著/Amazon Services International, Inc.
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